タイの文化とマナーについて教えてください。

タイへ転職したときに失礼のないように、またビジネスを円滑に進めるためにも、タイの文化とマナーについては知っておきたいところですね。


■ 女性は僧侶に触れないように！タイの宗教事情

タイは国民の95%以上が上座部仏教（小乗仏教）を信仰している仏教国です。
出家をすることは最大の功徳で、男性は出家して始めて一人前として認められる、というような言い伝えがあるため、１～２週間程度の一時出家をする人も多く、非常に熱心な仏教国です。

また、僧侶は戒律で女性との接触が禁じられているため、女性は僧侶に話しかけたり、触ったりすることがないように気をつけましょう。
タイでは仏教や僧侶に対する敬意を忘れることが無いように心がけることが大切です。

仏教の他に、自然界の神々に敬意を表す、精霊信仰（アニミズム）が存在し、個人差はあるものの、精霊が宿るとされている頭を触ることは一般的にタブーです。頭の上に物を通す事も極力避けたほうがよいでしょう。


■ 国王に関する発言には要注意！

タイ国王は、1946年に在位して以来、国民から絶大な尊敬を得ています。１２月５日、国王の誕生日は、国民一同盛大に祝う祝日として有名です。

また、毎朝８時と夕方６時になると駅や学校などの公共の場では国歌が流れ、仕事の手を止めて起立し、聞き入る人々も多いです。映画館では上映前に国王賛歌と王室の映像が流れますので、外国人も含めて全員が起立することになっています。

国王や王室はタイ人にとって、とても大切な対象であるため、軽はずみな発言は慎みましょう。


■ 知っておきたい「ワイ（Wai）」のマナー

手のひらを合わせて挨拶をする、タイの代表的な挨拶はタイ語で「ワイ（Wai）」といい、年下から目上へ、スタッフからゲストへ行うのが一般的です。また、相手の歳、地位によって手を合わせる高さが異なり、相手の地位や歳が上であればあるほど、手の高さ上がっていきます。最近は、手の高さに関して気にされない方がほとんどですが、マナーとして知っておいて損はないでしょう。


■ ニックネームで呼ぶと親しくなれる？
タイは、Mr.やMs.の変わりに”Khun”(クン）を使うことが多いです。
また、下の名前で呼ぶことや、ニックネームで呼ぶことは、その人のことをよく知りたいのだと取られ、親近感をもたれます。タイ人の多くは、生まれたときに親にニックネームをつけてもらうので、親しくなりたい人にはニックネームで呼んでもいいか聞いてみると良いでしょう。


■ 面子を大切にするタイの文化

タイ人の国民性として、人前で恥をかかされることをとても嫌がります。
そのため、タイ人の部下を持った際には、人前でしかることがないよう、個別に話し合うと良いでしょう。一方、目上の人を敬う精神や、本音と建前の使い分ける文化が浸透しているので、日本と近しいところも多く、一緒に働きやすいでしょう。


■ プライベートでの関わりが大切

タイ人の特徴として、公の場で積極的に自己開示をしないが、プライベートでの関わりを好むところがあります。一緒に食事へ行ったり、スポーツ観戦やショッピングなどの共通の趣味をたしなんだりする事で、ビジネスでもうまくいくようになることがあるので、積極的に誘ってみると良いでしょう。


日本の常識は世界の非常識というように、転職当初は文化の違いで苦労することがあるかもしれません。そんな時にも円滑に対応していくことが出来るよう、相手の文化を理解し、こちらから歩み寄ることが大切ですね。