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ベトナムの経済成長と「社会主義国」への不安
ベトナムは1998年の通貨危機を除いて、リーマンショック含め6%以上の経済成長を保つ驚異的な国です。 2015年に名目GDPが2000億ドルを超え、2025年では4,910億ドルとなり、ASEAN第4位となっています。
市場は成熟してきたとはいえ、今だに 転職の価値ある国です。 そんなベトナムですが「社会主義国」という不安のある方もいるのではないでしょうか。 結論からして、その心配は不要です。 旅行をしても普通の資本主義国家となんら変わりません。
「社会主義への不安より、実際には海外転職としての魅力が勝ります。」
株式会社はCông ty cổ phầnといい、有限責任会社はCông ty trách nhiệm hữu hạnと言います。 政策措置が突然発表・実施されるなど、外国企業が経営活動を行う上で不安要素がないわけではありませんが、 それはタイなどの資本主義国家であっても 海外では普通に起こりうることです。
| 業種・職種 | ハノイ | ホーチミン | ||
|---|---|---|---|---|
| 米ドル | ベトナムドン | 米ドル | ベトナムドン | |
| 製造業 ワーカー(一般工職) | 240 ~ 480 | 5,000,000 ~ 10,000,000 | 240 ~ 500 | 5,000,000 ~ 10,500,000 |
| 製造業 エンジニア(中堅技術者) | 430 ~ 720 | 9,000,000 ~ 15,000,000 | 450 ~ 800 | 9,500,000 ~ 17,000,000 |
| 製造業 中間管理職(課長クラス) | 670 ~ 1,440 | 14,000,000 ~ 30,000,000 | 800 ~ 1,900 | 17,000,000 ~ 40,000,000 |
| 非製造業 スタッフ(一般職) | 380 ~ 620 | 8,000,000 ~ 13,000,000 | 480 ~ 760 | 10,000,000 ~ 16,000,000 |
| 非製造業 マネージャー(課長クラス) | 720 ~ 1,670 | 15,000,000 ~ 35,000,000 | 800 ~ 2,380 | 17,000,000 ~ 50,000,000 |
| 店舗スタッフ(アパレル) | 240 ~ 480 | 5,000,000 ~ 10,000,000 | 240 ~ 500 | 5,000,000 ~ 10,500,000 |
| 店舗スタッフ(飲食) | 190 ~ 380 | 4,000,000 ~ 8,000,000 | 190 ~ 480 | 4,000,000 ~ 10,000,000 |
| 出典:労働政策研究・研修機構ウェブサイトより作成。(調査実施時期 2019年4月~2020年3月)[1] | ||||
最初は社会主義国ということで漠然と怖さを感じていた女性の ベトナム転職体験記は こちら
ベトナム語・英語と海外転職のハードル

ベトナム語は公用語で全人口の約85%が使います。都市部はもとより、地方であっても日常生活はベトナム語を使います。 使用される文字は「クオック・グー(国語)」と呼ばれるベトナム式アルファベット表記で、声調記号が特徴的です。
実は、私たち日本人にとってベトナム語の学習は有利な側面があります。それは、漢字文化圏の歴史的共有により、 和製漢字熟語という知識の接点が存在しているためです。 冒頭のクオック・グーしかり、 シャーホイ、ヴァンホア、キンテー、ザオユックなどが一例です。 想像がついた言葉はありますか?それぞれ社会、文化、経済、教育です。 なんとなく覚えられる気がしてきたのではないでしょうか。
「ベトナム語は難しいと言われますが、日本人には実は相性が良い言語です。」
ローカル企業で働く場合はベトナム語での業務指示や会話ができることが 大きな強みとなるでしょう。 英語能力は都市部で普及が進む一方、全体としては中程度~やや低い水準に留まっており、 EF英語能力指数(EPI)2024では116カ国中63位(アジア8位)と「Moderate(中程度)」と評価されています。 一般企業でも若い世代を中心に英語教育が進んでおり、 ビジネス英語ができれば有利です。
英語については出来ないより出来たほうがいいというのはどこの国で働くにおいても言えることですね。 日系企業では日本語のみ語学不問という会社もあれば、徐々に覚えていけばいいというスタンスの会社もありますので 最初からベトナム語や流暢な英語でなければ ベトナムに転職できないということはありません。
ベトナムでは「語学力がないと海外転職できない」という思い込みを覆す事例が多く、 詳細は こちらの記事 に整理されています。
ベトナム人の気質と仕事観・マネジメントのコツ

ベトナム人は儒教的伝統の影響を強く受けており、仕事の面でも勤勉・忠誠・強調を重んじる傾向があります。 とはいえ韓国の儒教感とは大きく違いがあり、東南アジアの文化の中で儒教が薄まって存在しているような感じです。
家族・集団主義的で、職場でも同僚を「家族(Gia Đình)」のように考え、チームワークや協力体制を重視するため、 欧米的な個人主義というわけではなく、昔の日本やタイなどにも通じるところがあります。 上下関係や年長者への敬意も強く、職場では階層構造が明確なことが多いです。
「敬意・段階・丁寧さを欠くと、ベトナムでは仕事が進まなくなることがあります。」
上司やベテランへの配慮を欠くと気まずくなるので、指示・決定は段階を踏む形式を尊重するようにしましょう。 表現は直接的すぎず礼儀正しくすると信頼を得やすいので、 日本人として培ってきた部分が試されるでしょう。
時間感覚は西洋人ほど厳格ではなく柔軟(いわゆる「ルーズ」)な面があるとされています。 複数の業務を同時並行で進めることもあり、計画通りに進まないことも珍しくありませんので、 「なんであらかじめ余裕を持っておかない!」「なんでダメそうな時は事前に報告しない!」と過熱しすぎないように注意しましょう。転職したらここはベトナム。 そういうことが往々にあることを前提に考えないといけません。
面子も非常に大事にされます。これは上司だけでなく同僚や部下であってもです。 面前で叱ることは日本人の感覚としては当たり前ですし、同じ過ちを他の人もしないように注意してね、というメッセージだったりします。 しかし面前で部下を叱ると、 面子を傷つけられたとして臍を曲げられてしまうこともあります。
「以前お願いしていたのになんでまだやってないんだ!」という言い方じゃなく、 あたかも初めてのふりをして「この仕事お願いしたいんだけどいいですか?」と言ったりします。 こういったお願いの仕方に、なんで上司がそこまで気を使わなければいけないんだ・・・と思うかもしれません。
「経験者ほど、ベトナムの“間合い”を読む大事さを語ります。」
しかし、海外で仕事をしている人たちも「なんで上司がそこまで気を使わなければいけないんだ」と思いながらも 数多くのトラブルから、「思うけど、そういう喋り方をするようになった」という人が多いかもしれません。
これは「単純に日本式で咎める」しかできないよりも、アジアの他の国や、欧米諸国の人と仕事をする上でも長く使っていけるテクニックになることでしょう。 派生して、注意する場合は「二人だけで話す」「メールで共有する」「一般論として全体に話す」などの切り口を覚えていけば 初めて海外で転職をしたフレッシュパーソンから、いつのまにか 本当にグローバルなビジネスマンになっていけることでしょう。
ベトナムの所得税(PIT)と社会保険制度

所得税(PIT、Personal Income Tax): 月給月額9,000,000ドン(約5万円)以下は非課税枠となり、 それ以上は累進課税(最大税率35%)で課税されます。 高所得者(外国人を含む)が主な納税対象で、実際に所得税収入の60~80%は外国人からのものとも言われているほどです。 日本とベトナムとの租税条約では、ベトナムへの滞在が183日以内であれば一定条件下で課税免除となる 短期滞在者免税制度が適用されます。
(これは出張などで日本人がベトナムに短期滞在する場合に、慣れないベトナム国での申告が必要ないという意味で、 日本国の課税所得に含まれることに注意してください)。 課税対象となるのは給与・賞与など全収入に加え各種手当や現物給与すべてです。 つまり社用車の個人使用や事業と関係のないゴルフ代などは個人所得税の対象として指摘される恐れがあります。 地方税はなくベトナム全国一律の所得税のみが課される仕組みです。
ベトナムは住民税がないため、海外転職の税務計算が比較的シンプルに感じられるという声も多いです。
詳しくは専門家の情報をご確認ください。
社会保険・保険料(外国人労働者も加入義務)
ベトナムでは2009年から外国人も医療保険(健康保険)加入が義務化され、2018年以降は 社会保険(年金・疾病手当・産休手当等)も外国人労働者の強制加入対象となりました。 これは海外で就職する外国人にとって重要な制度であり、ベトナム転職でも避けて通れません。
保険料率は企業負担:約23%(社会保険18%+医療保険4%+失業保険1%)、労働者負担:約11%(社会保険8%+医療保険2%+失業保険1%)。 失業保険は雇用契約期間3ヵ月以上の労働者(従業員、企業、国が賃金の各1%ずつ負担)。
以下は保険料の労使負担早見表です。
| 保険の種類 | 使用者負担分 | 労働者負担分 |
|---|---|---|
| 社会保険(狭義) | 18% | 8% |
| 健康保険 | 3% | 1.5% |
| 失業保険 | 1% | 1% |
| 労災・職業病保険 | 0.5% | - |
| 保険料計 | 22.5% | 10.5% |
外国人は福利給付を受けられることは少ないが、法的には加入義務があるため給与から天引きされます。 場合によっては本帰国の際に一時金として戻ってくることもありますので、 海外転職者は現地専門家への相談が推奨されます。
ビザの情報についても気になると思いますが、こちらに詳しく解説しています。
経済成長と求人動向:ベトナムは今がチャンス

経済・成長率: ベトナムは近年高い経済成長を続けており、2024年の実質GDP成長率は約6.1%に達しました。 政府も2025年に8.3~8.5%成長を見込むなど高い目標を掲げており、 まだまだ成長が見込めることは間違いありません。 海外転職で経済成長の恩恵に乗れる国でもあります。
1人当たりGDP(購買力平価)は約1.6万ドルまで上昇し、東南アジアの中でも高成長国として注目されています。 さらに、多くの多国籍企業が中国からの生産移管で進出しており、 製造業・IT・サービス分野で新規雇用が増え続けています。 この成長する経済を実感することも海外転職の醍醐味と言えます。
労働市場の活況と求人の増加
労働市場の活況: 失業率は約2.1%と極めて低く、国内の人材需要は非常に高いです。 技術者、営業職、物流・製造現場の人材が特に求められており、 テクノロジー、再生可能エネルギー、物流などの成長分野で積極的に求人が増えています。
「ハノイ・ホーチミンは特に求人が豊富で、現地採用からのキャリア形成にも最適。」
首都圏(ハノイ・ホーチミン市など)は職種の多様性が高く、外資系・日系企業だけでなくベトナム企業でのキャリア機会も豊富です。 実際、日越間の貿易額は500億USD超、2022年の日本からの直接投資は約48億USDに上り、 キヤノン・三菱・AEONなど多くの日系企業が進出しています。 まずは日系ベトナム企業に転職し、現地に慣れてからベトナム企業や外資系企業にキャリアアップすることで 生涯年収を増やしていく選択肢もあります。
待遇・生活面:海外就職初心者にも優しい国
物価は日本に比べておおむね安く、現地の住宅や食費、サービスは低価格で生活コストを抑えられます。 つまり貯金が乏しくてもベトナムで転職しやすいでしょう。 熱帯気候や多様な自然、文化が魅力で、日本人にも親しみやすい食文化(フォー、バインミー等)も豊富です。
バインミーなどはフランス植民地時代の食文化が混ざった象徴でもあり、暮らしていく上では洋食も深く楽しんでいけます。 インフラや都市部の国際環境も改善されており、生活の質を維持しつつキャリアアップを図れる点が 外国人にとって大きなメリットです。
実際にベトナムで転職した女性の生活費情報はこちら
「生活コストの低さ × 経済成長 × 求人の多さ」はベトナム転職の最大の魅力。
ベトナム転職の総まとめ

ベトナムは社会主義国という顔を持ちながらも、経済は市場原理で動いており、キャリアアップのチャンスが豊富にある国です。 ベトナム人の文化、特に「家族主義」と「形式主義」を理解し、彼らのプライドを尊重したコミュニケーションを心がければ、 この成長市場であなたのスキルを存分に活かせるでしょう。
ベトナムへの転職は、まさに 「成長という名の波に乗る」 ようなもの。 ぜひ、このエキサイティングな機会を逃さないでください!
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