タイで企画・事務・マーケティング・PR職に転職する完全ガイド
バンコクを中心とした最新求人動向・給与・ビザ情報 2025
タイ・バンコクは東南アジアの商業ハブとして、外資系・日系企業が集積する国際都市です。2025年第2四半期の失業率は0.91%と極めて低水準を維持し、特に企画・事務・マーケティング・PR職において旺盛な採用需要が続いています。日本人にとっては、日本語能力というアドバンテージを活かしながら、英語・タイ語スキルを組み合わせてキャリアを発展させられる魅力的な市場です。
本記事では、タイの企画・事務・マーケティング・PR職求人を探す方に向けて、市場動向・職種定義・給与レンジ・ビザ要件・文化の違いまでを網羅的に解説します。
失業率(2025年Q2) 0.91% タイ全体
労働力人口 3,950万人 NESDC調査
サービス/商業部門求人 34,100件 DOE 2025年12月
マーケ管理職給与 最大17万B JobsDB調査
タイ経済はコロナ禍からの回復が加速し、NESDC(タイ国家経済社会開発審議会)によると2025年の実質GDP成長率は3%台前後を維持する見通しです。輸送・倉庫業(+7.9%)・ホテル・飲食業(+3.1%)が雇用をけん引し、製造業も回復基調にあります。
業種別求人件数(タイ雇用局 2025年12月)
企画・マーケティング・PR職はサービス/商業部門に分類され、バンコクのCBD(シーロム・アソーク・スクンビット)に集中しています。外資系企業の地域統括拠点(APAC HQ)がバンコクに置かれるケースも増えており、高い専門性を持つ日本人プロフェッショナルへの需要は拡大傾向です。
「売り手市場」と言われる背景:タイでは求職者が企業を選べる状況が続き、給与・福利厚生・キャリアパスを明示できない企業は優秀人材の確保が困難になっています。日本人にとっては好条件を引き出しやすい環境です。
政府が重点産業に位置づけるEV・デジタル経済・ヘルスケアへの投資拡大により、BOI(タイ投資委員会)認定企業でのマーケティング・事業企画職の求人が増加しています。スタートアップ・フィンテック企業も集積しており、デジタルスキルを持つ人材の採用競争が激化しています。
タイにおける(企画・事務・マーケティング・PR)は4つの職種カテゴリを包含しています。それぞれの業務内容と求人特性は明確に異なりますが、共通して「英語+日本語」のバイリンガルスキルが評価される市場です。タイ × 企画・事務・マーケ・PR職の求人一覧では現在多数のポジションが掲載されています。
新規事業企画・商品開発・事業戦略立案。市場調査・BIツール分析・PM。大手外資/日系での需要高。
月給 50,000〜120,000 THB
総務・人事・経理・営業事務・秘書。日系企業の日本語対応業務が多い。バックオフィス全般を担当。
月給 25,000〜60,000 THB
デジタル広告・SNS運用・SEO/SEM・データ分析・ブランド戦略。デジタルシフトで求人急増中。
月給 50,000〜170,000 THB
プレスリリース・メディア対応・イベント企画・危機管理広報。ライティング力とメディア人脈が鍵。
月給 40,000〜100,000 THB
いずれの職種でも、タイ語ビジネスレベルの習得が現地パフォーマンスを左右します。特に事務系職ではタイ人スタッフとの日常的なコミュニケーションが多く、タイ語ができないと「外国人として分離」されるケースが生じやすいため、入社後の語学学習意欲が選考での差別化につながります。
タイでは企業規模・業種によって企画・マーケ・PR職の業務範囲や待遇が大きく異なります。自分のキャリアフェーズとリスク許容度に応じた企業選びが重要です。
| 企業タイプ |
特徴 |
向いているタイプ |
主な業界 |
| 大手日系企業 |
日本語必須が多い。自動車・電機・食品加工系が主力。安定性高く福利厚生が整備されている。 |
長期安定志向・管理部門経験者 |
製造・商社・金融 |
| 外資系MNC |
英語業務が中心。APACリージョナル管理の役割も多い。給与水準が高くキャリアの視野が広がる。 |
英語ビジネスレベル・即戦力志向 |
消費財・製薬・IT・金融 |
| スタートアップ/IT |
裁量権が大きく、デジタルマーケやプロダクト企画で成長できる。給与は企業差が大きい。 |
成長志向・デジタルスキル保有者 |
フィンテック・Eコマース・SaaS |
| サービス業・F&B |
マーケ+SNS+マネジメントの兼任が多い。英語・タイ語両対応が求められる現場密着型。 |
マルチタスク対応・SNS得意な人 |
飲食・ホテル・小売 |
| 中小企業(SME) |
求人倍率が高く採用されやすい。条件は外資に劣るが幅広い業務経験が積める。 |
第一歩を踏み出したい未経験者 |
貿易・輸入代理店等 |
タイ × 企画・マーケ職 × 日系企業の求人は特に日本語が活きるポジションが多く、初めてタイ転職を検討する方に適しています。一方、上場企業・大手外資系での求人はグローバルなキャリアを構築したい方に向いています。
EVとデジタル経済の波:JACリクルートメント・タイランドの報告によると、EV・バッテリー製造・デジタル経済分野での企画・マーケ職採用が2024年以降急増。特に電動バイク・EV部品メーカーの現地マーケティング責任者ポジションは給与水準が高く人気です。
全職種共通スキル
MS Office(Excel/PPT)
英語:ビジネスレベル
データ分析・レポーティング
プロジェクト管理
タイ語:日常〜ビジネス
クロスカルチャー対応
職種別の専門スキル・有利な資格
| 職種 |
専門スキル |
有利な資格・経験 |
| 企画職 |
市場分析・BIツール(Tableau, Power BI)、プレゼン力、ロジカルシンキング |
MBA、PMP、アジャイル資格、経営企画経験 |
| 事務系職 |
ERP/会計ソフト(SAP, QuickBooks)、労務管理、給与計算、議事録・文書管理 |
簿記2級以上、社労士、TOEIC 700点以上 |
| マーケティング |
Google Analytics認定・Google Ads・Meta Blueprint・SEO/SEM・CRM・動画編集 |
デジタルマーケター認定、マーケ実績・SNSフォロワー数 |
| PR職 |
英語/タイ語ライティング、メディアリレーション、イベント企画・危機管理広報 |
広告代理店・PR会社経験、メディア人脈 |
語学面では英語がビジネスレベルで必須、タイ語は業務上のコミュニケーションで大きな差が生まれます。日系企業では日本語母語話者であること自体がレアスキルとなり、日本人採用の理由にもなります。中国語やベトナム語などの追加言語は、ASEAN地域をカバーする業務で評価されます。
注意:タイ法上、単純事務・タイピングなど「禁止職種リスト」に該当する業務は外国人が就労できません。応募するポジションが「管理・専門職」として記載されていることを必ず確認してください。
JobsDB(SEEK)タイランドのサラリー別検索と実際の求人データをもとに、職種別の給与レンジをまとめます。日本人現地採用者は多くの場合、月給 50,000〜80,000 THB 前後からスタートします。
| 職種 |
初級(〜2年) |
中級(3〜7年) |
上級/管理職 |
備考 |
| 企画職 |
50,000〜70,000 THB |
70,000〜100,000 THB |
100,000〜120,000 THB |
MBA・PMPで加給あり |
| 事務系職 |
25,000〜35,000 THB |
35,000〜50,000 THB |
50,000〜70,000 THB |
日本語対応で+10〜20% |
| マーケティング |
50,000〜70,000 THB |
70,000〜120,000 THB |
130,000〜170,000 THB |
デジタル特化で高め |
| PR職 |
40,000〜55,000 THB |
55,000〜80,000 THB |
80,000〜100,000 THB |
代理店経験で大幅加点 |
キャリアパスのイメージ
ジュニア
25K〜60K THB
→
シニア
60K〜100K THB
→
マネジャー
100K〜150K THB
→
ディレクター
150K+ THB
タイでは昇進が遅い傾向があり、「倍速成長」を求めて転職を繰り返す若手が多い市場です。マネジメント経験のある日本人は希少なため、マネジメント経験歓迎のポジションでの採用優位性があります。
他のアジア拠点と比較したい場合は、シンガポールの企画・マーケ職やベトナムの企画・マーケ職の求人も比較してみてください。シンガポールは給与水準が最も高く(月給 SGD 4,000〜8,000)、ベトナムはコスト・オブ・リビングが低く最初の海外キャリアに適しています。
タイで就労するにはノンイミグラントBビザ(就労ビザ)と労働許可証(ワークパーミット)が必要です。2025年からワークパーミットは電子化(e-WorkPermit)され、オンライン申請が可能になりました。企業がスポンサーとなり手続きをサポートするのが一般的です。
| 項目 |
BOI認定企業 |
一般企業(非BOI) |
| 最低給与要件 |
役職別(マネジャー:75,000 THB、学士保持者:50,000 THB以上) |
日本人:月50,000 THB以上が目安 |
| 払込資本金要件 |
なし(BOI奨励企業は免除) |
外国人1名あたり2,000,000 THB以上 |
| 雇用比率 |
緩和(BOI奨励企業) |
外国人1人につきタイ人4人以上(社保加入者) |
| 禁止職種 |
管理・専門職は可。一般禁止職種は同様に適用 |
一般事務・タイピング等の単純業務は就労不可 |
| WP取得難易度 |
比較的スムーズ |
書類審査が厳格・時間を要する場合がある |
禁止職種リストに注意:タイ法上、外国人が就労できない職種のリストが定められています。企画・マーケ・PR職は管理・専門職に分類されるため問題ありませんが、
「一般事務」として応募する場合は業務内容が管理職相当であることを確認してください。詳細は
タイ労働省・雇用局(DOL)公式サイトを参照ください。
6ヶ月以内のプロジェクトベース勤務にはWP・タイ人雇用比率要件が免除される例外規定もあります。また、SMART Visa・LTR(Long-Term Resident)ビザなど専門家・投資家向け長期ビザ制度も整備されています。詳しくはBOI公式サイトをご確認ください。
| 比較軸 |
タイ |
シンガポール |
ベトナム |
| 給与水準 |
中程度・上昇傾向。マネジャー以上は日本と同水準も |
東南アジア最高水準(SGD 4,000〜8,000/月) |
低め(50,000〜120,000 VND/月)が成長中 |
| 英語力 |
外資では必須。タイ人の英語力は向上中 |
公用語。英語のみで業務完結可能 |
限られる。日本語話者の価値が高い |
| 離職率 |
高い。より好条件を求めて転職頻繁 |
比較的低め・長期就業が多い |
高め・若手の転職も活発 |
| 文化的配慮 |
上下関係・バンコムニット(顔を立てる文化)重視 |
多民族・実力主義・多文化 |
集団主義・年功序列が残る |
| ビザ難易度 |
中程度。企業スポンサーが鍵 |
低め(EP取得しやすい) |
中程度 |
タイでは「クレンチャイ(遠慮・同調)文化」が根強く、問題を直接指摘するより和を保つことが優先されます。外国人マネジャーとして成功するには、命令型のリーダーシップよりも共感・フォロー型のマネジメントスタイルが効果的です。求職者の6割以上が海外就職を希望しているというデータもあり、タイ人スタッフのグローバル志向を理解することで良好な関係を構築できます。
先輩の体験談:バンコクで企画・マーケ職に転職した3人のリアル
K.Mさん(32歳・男性)マーケティングマネジャー → バンコク外資消費財メーカー
「日本で5年間のデジタルマーケ経験を持って転職活動を始めました。Google Analytics・Meta広告の運用実績をポートフォリオにまとめたところ、バンコクの外資FMCG(消費財)企業からAPACマーケ担当として内定をもらいました。給与は月給110,000 THBで、日本時代の手取りと同水準ですが、生活費の安さを考えると実質的には豊かです。懸念していたタイ語も、英語でほぼ業務が完結するため問題ありませんでした。転職して1年、タイ人スタッフとの協力でSNSキャンペーンが成功し、マネジャーに昇進できました。」
A.Nさん(28歳・女性)一般事務 → タイ日系商社 総務・人事担当
「日本での事務職経験3年を活かしてタイ転職に挑戦しました。ポイントは、単なる『事務』ではなく『総務・人事管理職』として応募したことです。ワークパーミットの関係で管理職としての職務定義が必要だと知り、業務内容を整理してアピールしました。月給55,000 THBで就労ビザも無事取得。日本語対応が評価され、駐在員のサポートや契約書管理など幅広く担当しています。タイ語は今も学習中ですが、タイ人スタッフがとても親切に教えてくれて、職場の雰囲気がとても良いです。」
T.Yさん(35歳・男性)事業企画 → バンコクのEV関連スタートアップ
「日系電機メーカーで事業企画を6年経験後、タイのEVスタートアップに転職しました。製品ロードマップの立案と現地パートナー企業との調整が主な業務です。給与は月給90,000 THBで前職より下がりましたが、ストックオプションがあり将来への期待は大きい。失敗も多いですが、意思決定の速さと裁量権の大きさが魅力です。タイの営業職と兼任するような役割も多く、企画と営業の両スキルを磨ける環境です。」
タイ転職前のチェックリスト(企画・マーケ・PR職版)
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英語での職務経歴書(CV)とカバーレターを整備し、実績を数値で示す(例:「SNSフォロワー XX% 増加」「広告CPA XX% 削減」)
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応募職種が「管理・専門職」として定義されていることを確認(ワークパーミット取得のため)
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企業がBOI認定かどうかを確認し、最低給与要件(50,000 THB/月以上)を充足しているか確認
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LinkedInプロフィールを英語で整備し、タイ・バンコクの採用担当者(リクルーター)からのスカウトを受けやすくする
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バンコクの生活費(家賃・食費・交通費)を調べ、最低限の生活に必要な月額を把握(一人暮らしなら25,000〜40,000 THB程度)
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タイ語が全くできなくてもマーケティング職に転職できますか?
外資系企業やBOI認定企業では英語のみで業務が完結するポジションも多く、タイ語ゼロでも採用されるケースは多数あります。ただし、タイ人スタッフとのコミュニケーションや現地顧客対応の場面ではタイ語ができると大きな差が生まれます。「入社後に学習中」という姿勢を示すことが選考での好印象につながります。
日本での事務職経験しかありませんが、タイで採用されますか?
日系企業では日本語対応ができる総務・人事・経理担当が慢性的に不足しており、日本での事務経験者は歓迎されます。ただし、ワークパーミットの観点から「管理職・専門職」として職務が定義される必要があるため、応募時に「総務課長補佐」「人事担当マネジャー」など管理的側面を持つポジションを選ぶことが重要です。
マーケティング職の給与交渉はどうすればよいですか?
タイでは給与交渉が一般的に行われます。JobsDBのサラリーレポートや求人票の給与レンジを根拠に、自身の実績(SNSフォロワー増加率・広告ROI改善数値など)を具体的に示すことが効果的です。マーケティングマネジャーレベルでは130,000〜170,000 THBが相場ですが、英語・日本語バイリンガルの場合は上限を超えるオファーも可能です。初回オファーより10〜20%上を目標に交渉しましょう。
BOI認定企業とは何ですか?どうやって見分けますか?
BOI(タイ投資委員会)認定企業とは、タイ政府が優遇する投資プロジェクトとして認められた企業です。外国人の採用要件が緩和され、払込資本金の縛りなしにワークパーミットが取得しやすくなります。求人票に「BOI Company」「BOI Project」と明記されている場合が多く、応募前に企業のウェブサイトや採用担当者に確認するのが確実です。
タイのPR・広報職でキャリアを積むには何が必要ですか?
PR職では英語とタイ語の両方でのライティング力と、タイのメディア関係者とのネットワークが最重要です。日本の広告代理店・PR会社でのキャリアがある場合は高く評価されます。タイ市場では特にソーシャルメディアを活用したPR手法(Facebook・LINE・TikTok)が主流なため、SNSを使ったPR実績をポートフォリオにまとめることをお勧めします。また、
英語力を活かせるタイのマーケ・PR職として多数掲載されています。
求人サイトではJobsDB Thailandがタイ最大級で、マーケティング・PR職が豊富です。日系特化では「タイスカウト」や「カモメアジア転職」も活用されています。コミュニティとしてJETROバンコク主催セミナーや在タイ日本人商工会議所(JCC)でのネットワーキングが有効で、非公式な紹介案件も多く生まれます。
バンコクでのマーケ転職の実態については、note.com の在タイ日本人ブログも参考になります。また、Abroadersのタイ関連コラムでは最新の求人動向・生活情報を随時発信しています。
タイは失業率0.91%という「完全売り手市場」の中でも、日本語+英語のバイリンガル×専門スキルを持つ人材が最も高く評価される市場です。企画・事務・マーケ・PR職のいずれであっても、自身の実績を数値化してアピールし、ビザ要件を理解した上で求人に臨むことが成功の鍵です。
タイ転職全般のコラムはAbroaders コラムでもご覧いただけます。シンガポール・ベトナムとの比較や各職種の詳細情報も合わせてご確認ください。
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