東南アジアを中心とした日本人向けの海外求人・海外就職なら、ABROADERS CAREER(アブローダーズキャリア)

  • タイ

日本にいながらタイの転職活動はどこまで進むか|求人217件の面接条件を数えた

目次

    タイで働きたい。でも今は日本にいる。この状態から、どこまで転職活動を進められるのか。

    「結局は現地に行かないと決まらないのでは」「一度タイに移り住んでから探すべきなのか」。よく聞かれる質問ですが、感覚で答えても意味がないので、求人票を数えて確かめました。2026年9月時点でABROADERS CAREERに掲載されているタイの求人217件について、面接の条件と居住地の条件を全部見ています。

    217件のうち「オンラインで内定まで」は29件|まず全体の数を押さえる

    求人検索にはこだわり条件として「オンラインで一次面接実施可能」と「オンラインで内定まで」の2つが用意されています。それぞれの該当件数を数えると、こうなりました。

    「オンラインで一次面接実施可能」が18件、「オンラインで内定まで」が29件。全体217件に対して8%と13%です。

    ここで妙なことに気づきます。一次面接だけオンラインという求人より、内定まで全部オンラインという求人のほうが多い。普通に考えれば逆のはずです。

    この逆転が意味しているのは、オンラインで進める会社は最初から最後までオンラインで完結させる、という傾向があるということだと思います。最終面接だけ対面に切り替えるという中間の形は、意外と少ない。求人を探すときも、この2つの条件で絞り込んでみると、日本から動ける求人がまとめて出てきます。

    ただし、この条件がついていない求人が圧倒的多数であることも事実です。オンライン完結を明示していない188件については、個別に確認する必要があります。

    対面面接を条件に書いている求人は15件|全体の7%

    逆側から数えてみます。応募条件のなかで「対面面接」や「最終面接」に触れている求人は、217件のうち15件でした。全体の7%です。

    書き方はほぼ共通していて、「・タイでの対面面接に参加可能な方」「・タイ現地で対面面接可能な方」「・タイでの対面面接が可能な方」といった形です。必須条件に入れている求人もあれば、歓迎条件にとどめている求人もあります。

    変わっているのが自動車部品業界向けの営業職で、条件が「- アユタヤ工場での対面面接が可能な方」。県名どころか工場まで指定しています。バンコクではなくアユタヤまで行く必要があるということが、応募の段階で書かれているわけです。

    15件という数字をどう受け取るかですが、「現地に行かないと話が進まない求人は1割以下」と考えるのが実態に近いと思います。残りの202件は、対面面接について何も書いていません。書いていないから絶対にオンラインで済むとは限りませんが、少なくとも応募の門前払いにはなりません。

    渡航費を企業が持つ求人が3件|呼ぶなら出す、という考え方

    対面面接を求める15件のなかに、費用まで書いている求人が3件あります。

    大手エアコンメーカーの組み込みソフトウェアエンジニア職は「・タイでの最終面接にご参加いただける方(渡航にかかる費用は企業負担)」。外資系金融の営業職は「・バンコクでの最終面接可能な方(渡航費企業負担)」。どちらも、来てもらう代わりに費用は会社が持つという設計です。

    3件目がもっとも柔軟で、組み込みソフトウェア開発の求人が「・タイもしくは日本での対面面接へ参加できる方(最終面接は対面にて実施予定、タイで実施する場合の旅費は企業負担)」と書いています。タイでも日本でも対面はできる、タイでやるなら旅費は出す、という二段構えです。

    もう1件、面接そのものではありませんが変わった条件を出している求人があります。「・タイ在住の方/2次面接としてタイでの店舗体験(2日間)に参加可能な方(時給支給あり)」というもので、二次面接が2日間の店舗体験になっていて、しかも時給が出ます。

    「対面が必要」と書いてあっても、そのコストを応募者だけに背負わせる求人ばかりではないということです。費用について何も書かれていない場合は、聞いてみる価値があります。

    「タイ在住」を必須にしている求人は3件だけ|歓迎条件なら18件

    日本在住者にとって本当の壁になるのは、面接よりも居住地の条件です。応募資格のなかで「タイ在住」に触れている求人は21件ありました。

    ただし内訳を見ると、必須条件に入れているのは3件だけです。建設機械メーカーの営業職が「・タイ在住の方」、飲食チェーンの求人が「・タイ在住の方/2次面接としてタイでの店舗体験(2日間)に参加可能な方(時給支給あり)」、ゴム製品の製造設備・金型メーカーの機械設備設計職が「・タイ在住者(またはタイでの生活経験者)」。

    3件目の括弧書きに注目してください。今タイにいなくても、過去にタイで暮らした経験があればよいとしています。「タイ在住」という文字を見て諦める前に、括弧の中まで読む価値があります。

    残る18件は歓迎条件です。「■ タイ在住者」「・タイ在住者もしくはタイでの勤務経験がある方」「・タイでの生活経験、就業経験がある方」といった形で、あればプラスという扱い。日本在住でも応募そのものはできます。

    217件のうち必須が3件。この数字は、日本から応募することが構造的に排除されているわけではないことを示しています。

    ただし「現地在住者歓迎」は77件|3件に1件はこの条件がつく

    楽観だけで終わらせないために、もう一つの数字も出しておきます。

    こだわり条件の「現地在住者歓迎」がついている求人は77件。全体217件の35%で、およそ3件に1件です。

    これは必須条件ではないので応募は妨げられません。ただし採用する側の本音としては、すでにタイにいてビザや住まいの問題が少ない人のほうが動かしやすい。同じくらいの経歴の応募者が2人いれば、現地にいるほうが有利になる場面はあります。

    この77件と、先ほどの「オンラインで内定まで」29件を並べると、タイの求人市場の温度感が見えてきます。日本から応募できる求人はあるが、現地にいる人と競合する。だからこそ、経歴で差をつけるか、動ける姿勢を示すかのどちらかが必要になります。

    入社後の渡航費は、面接の渡航費とは別の話

    面接のための渡航と、採用が決まってからの引っ越しは別の費用です。ここを混同すると予算を見誤ります。

    入社後の渡航費について書いている求人を見ると、条件が細かく設定されています。バンコクのECサイト開発運営会社は「タイ国外在住者には、初回渡航費用の返金制度もあります」としていますが、福利厚生欄を読むと支給は入社1年後からです。

    もう1件はさらに具体的で、「【転居・渡航費】 ・バンコクへの片道エコノミー航空券:入社後1年間勤務した場合、会社負担(実費精算) ・その他の転居費用:会社負担なし」と書いています。片道のエコノミーのみ、1年働いたら実費精算、それ以外の引っ越し費用は出ない。ここまで明記されていれば、自分がいくら用意すべきかを計算できます。

    逆に「・他国からの渡航費は自己負担となります。」とはっきり書いている求人もあります。どちらの書き方であっても、書いてあるほうが親切です。書かれていない求人については、内定が出たあとではなく、条件提示の前に確認しておくことをおすすめします。

    英文レジュメを応募時点で求める求人がある

    日本から進めるときに意外な足止めになるのが書類です。

    応募条件に「・英文レジュメ提出可能な方」「・英文レジュメの提出が可能な方」と書いている求人があります。応募の段階で英文の職務経歴書を求められるということで、日本語の履歴書と職務経歴書だけでは応募が成立しません。

    これは選考の都合というより、タイ側の事情もあります。労働許可の申請では学歴と職歴の証明が求められるため、会社は早い段階から英語で読める経歴を欲しがります。

    英文レジュメは1日で書けるものではありません。応募したい求人が見つかってから慌てるより、本格的に動き出す前に1本作っておくと、機会を逃さずに済みます。あわせて英文の卒業証明書も、労働許可の申請で必要になります。学校によっては発行に2週間ほどかかるので、早めに取り寄せておくと後が楽です。

    日本から進める場合の現実的な順番

    ここまでの数字をふまえて、日本にいながら進めるときの順番を整理します。

    第一に、書類を先に用意します。英文レジュメと英文卒業証明書。この2つがないと、条件が合う求人が出てきたときに動けません。逆にこれさえあれば、応募のスピードで現地にいる人に負けなくなります。

    第二に、オンラインで進む求人から当たります。「オンラインで内定まで」29件と「オンラインで一次面接実施可能」18件は検索条件で絞り込めるので、ここから見るのが効率的です。

    第三に、対面が必要な求人については、渡航のタイミングをまとめます。15件のうち数件に同時に応募して、一度の渡航で複数社の面接を受ける形にすれば、費用も休みも一回で済みます。エージェントに日程の調整を頼むこともできます。

    第四に、渡航費の扱いを早い段階で聞きます。面接の渡航費、入社後の引っ越し費用、それぞれ誰が負担するのか。3件は求人票に書いていましたが、書いていない会社でも出るケースはあります。聞かなければ出ません。

    「まずタイに移住してから探す」という選択肢もありますが、観光ビザで滞在しながら就職活動をするのは期間の制約が大きく、収入もない状態が続きます。日本にいるうちに書類を揃えて、オンラインで進む求人から当たるほうが、多くの人にとって現実的だと思います。

    ビザ・就労許可と、応募前に整理しておきたいこと

    タイで働くには、就労ビザ(ノンイミグラントB)と労働許可証(ワークパーミット)の両方が必要です。ビザは本人が申請しますが、その際に雇用主が労働局から取得する就労事前承認書(WP3)などの書類が必要になるため、採用が決まらないうちに個人だけで進めることはできません。逆に言えば、内定が出るまではビザの心配をしなくてよいということでもあります。

    順番としては、応募して、選考を受けて、内定が出て、そこから会社が書類を用意し、ビザを取得して渡航、入国後に労働許可証の申請、という流れになります。日本にいる段階でやっておけるのは書類の準備までで、それ以上は先に進めません。

    応募前に整理しておくと動きやすいのは、次の3点です。第一に、英文レジュメと英文卒業証明書。第二に、渡航できるタイミング。有給を何日まとめて取れるか、最短でいつ渡航できるかが言えると、面接の日程調整が早くなります。第三に、いつから働けるか。現職の引き継ぎに何か月かかるかは必ず聞かれます。

    タイの求人を見る ▶

    掲載中の求人は随時更新されます。面接の形式や渡航費の扱いは求人票に書かれていないことも多いので、気になる求人があれば応募の段階で確認してみてください。

    この記事のデータについて

    本文の集計は、2026年9月19日時点でABROADERS CAREERに掲載されているタイの求人217件を対象に、検索条件「オンラインで一次面接実施可能」「オンラインで内定まで」「現地在住者歓迎」の該当件数と、各求人の応募資格欄における対面面接・タイ在住に関する記載を数えたものです。求人票からの引用は各求人の応募資格欄・福利厚生欄の記載に基づいています。

    ビザと労働許可の手続きについては、アジア・ダイナミック・コミュニケーションズ「外国人がタイで働くために必要な許可」「タイ労働許可(ワークパーミット)について」「タイ労働許可のための英文卒業証明書について」を参照しました。

    お問い合わせ

    海外で働きたい方、まずは気軽にお問い合わせください!